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かまぼこの健康機能性

◆ 幼児のおやつに「板付きかまぼこ」を!

今どきの子どもたちは噛んで食べるものは苦手です。特に間食のおやつでは、シュークリーム、アイスクリーム、プリン、菓子パンなど甘みの強いフカフカのものが好物で、またお母さんも子どもが喜ぶフカフカ食品を与えます。

昔の子どもは「たくあん」をかじらされたり、するめをしゃぶらされたりしていました。噛むおやつといえば、いろいろなガムや、グミという固めのゼリーなどがあります。ガムは噛むことに意義があり、栄養成分はありません。またグミは糖質以外の栄養素を期待することはできません。

噛むことは、脳の発達に大変重要なことです。足の強いかまぼこ、ガム、こんにゃくなど、よく噛む食品は自律神経系を刺激して、脳の血流量が増えるというヒトを使った研究発表があります。年をとって歯が少なくなり、硬いものが噛めなくなると、脳への刺激が少なくなり、老人性のボケの原因となることも知られています。ヒトにとって、噛んで食べるということは、脳の発育、脳の活性化にとても大切なことなのです。

かまぼこには、足(簡単にいえば弾力)の強い製品や、はんぺん、つみれのように柔らかいものがありますが、脳の血流量を高めるには、板付きかまぼこのように足の強い製品がむいています。プリプリツルツルしていますから、三歳ぐらいの小さい幼児は、誤嚥しないようお母さんが見ているところで食べてもらいましょう。最近は子どもの喜びそうなキャラクター入りの板付きかまぼこも売り出されていますが、小さいときから本物の味を覚えさせるためには、高級な板付きかまぼこを奮発するのもよいでしょう。

板付きかまぼこは脳の血流量を高めるというメリットのほかに、良質のタンパク質が豊富で、ヒトにとって大切な必須アミノ酸9種類をすべてもっています。以上のかまぼこの咀嚼の話は、次の先生方によって平成15年度になされた研究の発表(2004年10月6日)をご紹介したものです。

「かまぼこ咀嚼時の血圧、心拍出量および脳血流量の変化」

国学院大学栃木短期大学 石山育朗 先生
東京慈恵会医科大学臨床検査医学 鈴木政登 先生

◆ かまぼこはお刺身と同じに消化がよい

幼児のおやつや食事にかまぼこを使うといっても、板に付いた紅白のかまぼこはとてもプリプリしていて、いかにも消化が悪そう。やはり心配で子どもに食べさせられないというお母さん方もおられるでしょう。

かまぼこ、肉、魚肉、卵などのようなたんぱく性食品は、まず消化管でたんぱく質をアミノ酸にまで分解し、そのアミノ酸が小腸から吸収されて、はじめて体の栄養になります。食べた食物がどのくらい消化されて、またどのくらい体に吸収されるかを、消化吸収率とよびます。本来ヒトを使って測定しなければなりませんが、まずは実験動物のねずみを使って測定します。また、大変簡単に知るためには、人体の消化酵素と同じ酵素を使って試験管のなかで食べ物を消化して消化率(吸収率はわかりません)を調べることができます。そのように試験管のなかでかまぼこを消化して、いろいろな食品の消化率と比較した研究が発表されました。

離乳食や幼児の食事にお母さん方は、白身魚の煮魚やムニエル、また白身のお刺身などもあげていると思います。それらは、畜肉と違って結合組織(一般にスジとか腱とよんでいる)が少なく消化性が優れています。また、板付きかまぼこをはじめ多くの水産練り製品は魚のスジの部分は取り除かれています。

さて、試験管のなかでお刺身やかまぼこの消化率を調べてみると、かまぼこをよく砕いたものでは、お刺身以上に消化がよく、包丁できざんだ程度では、お刺身と同じぐらいで、幼児に食べさせるのに十分に消化のよい食品といえます。

参考までにいろいろな食品のたんぱく質の消化吸収率(実験動物のねずみによる)を文献から拾ってみると、マイワシ、サケ、マグロの赤身、イカ、タイ、ブリ、はいずれも生肉で平均99%と非常に消化吸収のよい食品ですが、畜肉、鶏肉は平均95%、おとうふも95%となっています。野菜や穀類、海藻類は動物性の食品よりも消化はかなり劣ります。あのプリプリの板付きかまぼこが生鮮魚肉と同じぐらいの消化率ということは、安心して幼児に食べさせてよいことになります。以上のかまぼこの消化率については、以下の先生の研究発表(2004年11月10日)をご紹介したものです。

「かまぼこの物性と消化性との関係に関する研究」

近畿大学農学部 塚正泰之 先生

◆ 「かまぼこ」で糖尿病の改善が期待される
研究目的;

現在も増加を続ける生活習慣病は食生活の改善で予防できると考えられています。かまぼこをはじめとする水産練製品は保存性・嗜好性にも優れた魚肉製品であり、食生活の改善にも役立つと考えられます。しかし現在のところ水産練製品を食べることによる生活習慣病予防効果を調べた研究はほとんどありません。今回は動物実験による研究を行いました。

研究結果;

マウスを用い、糖類、コレステロール、中性脂肪の消化吸収に対するかまぼこの影響を調べました。また肥満モデル、糖尿病モデル、骨粗鬆症モデル等のマウスにタンパク質源としてかまぼこを摂取させ、その作用を調べました。その結果、かまぼこは砂糖、ブドウ糖などの小腸からの吸収を抑制し、血糖値の上昇を抑制することが明らかとなりました。この結果は、かまぼこを食事と一緒に食べることにより、食後の急激な血糖値の上昇を抑制できる可能性があることを示しています。血糖値が高めで、糖尿病予備軍といわれる人々にとって有用な食品となることが期待されます。また、高脂肪食摂取により引き起こされた肝重量の増加を抑制する作用が見られました。この結果はかまぼこが脂肪肝を抑制する可能性を示唆しています。過食、飲酒などによる肝臓障害を予防する食品として期待されます。これらの結果は、マウスでの効果をみたものであり、人で同様の効果が得られるか検証する必要があります。またどのような成分がどのように作用しているかを今後明らかにする必要があります。

研究タイトル;

実験動物に用いたかまぼこ製品/水産練り製品の生活習慣病に対する作用の研究

主任研究者;

山口宏二・矢澤一良(東京海洋大学)

◆ 「かまぼこ」は生鮮魚介類より消化率が高い
研究目的;

かまぼこは高タンパク・低カロリーの食品ですが、高タンパクと言う特長は消化性が伴って発揮されます。一般的に加熱した食品は未加熱のものより消化性が高いと言われますが、かまぼこが刺身などの鮮魚介類より消化性が良いことを証明した研究はありません。今回の研究では消化性の違いを明らかにすることを目的としたものです。

研究結果;

かまぼこと生鮮魚介類の消化性を比較したところ、包丁で細切する程度(よく噛まない状態)では両者に差は見られませんでしたが、かまぼこを機械を用いて充分細かく砕いた場合(よく噛んだ状態)では、かまぼこの消化率が高いことが分りました。しかしなお、かまぼこの物性の違いが消化性にも影響があることが見受けられました。

研究タイトル;

かまぼこの物性と消化性との関係に関する研究

主任研究者;

塚正泰之(近畿大学農学部)

◆ かまぼこは生活習慣病の予防・改善に寄与する
研究目的;

この研究では、かまぼこの機能性については、ほとんど調べられていない状況で、機能性・特に消化管酵素により消化された消化産物の抗酸化性や活性酸素捕捉効果を明らかにするものです。

研究結果;

かまぼこにタンパク質分解酵素を作用させ人間が消化した状況を仮に作り、機能性に関して検証しました。1.抗酸化性効果 2.活性酸素種捕捉効果 3.血圧降下作用を検討した結果、抗酸化性で高い効果が期待できる物がありました。また活性酸素種では、「ヒドロキシルラジカル(※)」の捕捉効果が認められました。血圧降下作用では様々な発酵食品と同じ効果が認められました。以上のことからかまぼこは生活習慣病の予防・改善に寄与することがわかりました。

※ヒドロキシルラジカルは、細胞成分を酸化し、酸素障害を引き起こす活性に富んだ酸素種で「活性酸素」の一種です。この活性酸素は血管を傷害して、癌化や老化の促進をします。ヒドロキシルラジカルは、それ自体の寿命は短いですが酸化力は強く、特に脂質の酸化を連鎖的に行ないます。

研究タイトル;

かまぼこ製品酵素消化産物の生体調節機能に関する研究

主任研究者;

永井 毅(東京農業大学生物産業学部)

◆ 「かまぼこ」の咀嚼は脳・神経系を活性化させる
研究目的;

最近の研究では,食べ物咀嚼時に脳血流量が増加し脳の機能を活性化させると考えられ、なかには痴呆を防ぐ可能性も指摘されています。高齢者の場合,非常に硬いものを噛むと著しく血圧が上昇することが報告されています。我が国で昔から馴染み深いかまぼこは,程よい硬さの食品と考えられており,毎日のメニューに加えて食べると脳を刺激し,脳機能を活性化させる可能性があります。この研究は噛みごたえある食品として「かまぼこ」の咀嚼による血液循環機能への影響を明らかにするために行われました。

研究結果;

この咀嚼実験では、健康な20〜39歳の男性11名を被験者として、かまぼこを噛んだときの1.心拍数、2.血圧、3.心拍出量、4.総頸動脈の血流量、5.鼓膜の温度などを測定しました。その結果、かまぼこを噛むと心拍数、血圧、総頸動脈血流量、心拍出量が増加しました。被験者には、同じ量、同じ大きさのコンニャクを全く同じ実験方法で対照咀嚼実験をしました。実験終了時の鼓膜温はコンニャクに比べて高くなりました。この事からかまぼこを噛むことは、一時的に血液循環と代謝機能を促進させ、交感神経系だけでなく副交感神経系双方の活動を高め脳・神経系を刺激することが分かりました。

研究タイトル;

かまぼこ咀嚼時の血圧、心拍出量および脳血流量の変化

主任研究者;

石山育朗(國學院大學栃木短期大学)

◆ 「かまぼこ」は抗酸化活性に効果がある
研究目的;

かまぼこを始めとする水産煉製品は、近海鮮魚を材料として加工するため魚に含まれるEPA、DHA、タウリンなどの有効成分を豊富に保持している事は疫学調査などで研究されてきました。しかし実際にかまぼこを食べることにより血圧への影響や、抗血小板活性や抗血栓性、血管内皮機能を調べた研究はまだありません。今回は、かまぼこを食べることで抗血栓作用や血管保護作用が有りえるのかを、モデル動物を用いて解明しました。

研究結果;

この研究は魚の白身から作られた加工食品のかまぼこや、いわしのすり身が血圧や血栓、抗酸化活性に有益であるかを高血圧状態のラットを用いて研究しました。実験は生後6週間のラットに4週間の間、4種類の餌の与え変化を測定しました。@は、かまぼこを与えた物。Aは、いわしのすり身を与えた物。Bは、@で与えているのと同量の塩分がある食塩水と標準飼料を与えた物。Cは、標準飼料を与えた物の4種類です。結果として、いわしのすり身を与えられた物は血圧の上昇や血栓形成が抑制されました。また、かまぼこを与えられた物と、いわしのすり身を与えられた物は抗酸化活性が有意に増加していました。 このことでいわしのすり身を食べることが測定を行った全ての心血管系パラメータに効果があり、かまぼこを食べることは血管内皮に関連したパラメータに効果があることを証明しました。

研究タイトル;

かまぼこ製品(水産練製品)摂食による脳卒中易発症高血圧ラットの血圧
ならびに脳卒中発症への影響

主任研究者;

佐々木 康人(神戸学院大学栄養学部)

◆ かまぼこ製品は脳内酸化ストレスを低下させる有用な
抗酸化食品である
研究目的;

活性酸素・フリーラジカル*による酸化ストレスが生活習慣病や、アルツハイマー病などの神経変性疾患の有力な原因の一つであることが知られている。私共の教室では活性酸素?フリーラジカル種を唯一直接的に測定可能な電子スピン共鳴(ESR) *法による酸化ストレス評価法を用いて、かまぼこ製品(水産練製品)の活性酸素・フリーラジカルによる酸化ストレスへの消去能すなわち、「抗酸化能」を評価した。

研究結果;

疾患モデル動物である自然に高血圧に罹りやすいラット(SHR)と脳卒中に罹りやすいラット(SHRSP) を用いて、ESR法によるSHRとSHRSPの脳内酸化ストレスに対する効果を検討した結果、餌としてかまぼこと通常食を与えた場合は通常食のみを与えた場合と比較してSHRの脳内酸化ストレスを低下させた(図参照)。SHRSPの場合も同様の結果が得られた。また、抗高血圧効果も同時に確認された。これらの結果から、かまぼこは高血圧症や脳卒中をひき起こす脳内酸化ストレスを低下させる有用な抗酸化食品であることが示唆された。

*活性酸素・フリーラジカル:
酸素分子が水に還元される過程で生成される化学種で生体内では取り入れた酸素の3-10%が活性酸素・フリーラジカルになるといわれ、酸化ストレスを起こして様々な病気の原因となる。
*電子スピン共鳴法:
電子スピン共鳴(electron spin resonance;ESR)とはフリーラジカル(ペアを持たない電子をもっている)を選択的に測定する測定法である。

研究タイトル;

電子スピン共鳴(ESR)法を用いたかまぼこ製品(水産練製品)の脳内抗酸化能評価

主任研究者;

神奈川歯科大学生体管理医学講座薬理学分野助教授 李 昌一

◆ かまぼこ製品は大腸ガンの進行を抑制する
研究目的;

近年、国民の健康に対する意識が高まり、なかでも水産物に特徴的なイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸といった脂肪酸の各種生活習慣病や癌に対する予防効果が注目されてきました。一方、水産物由来のタンパク質については、わずかに動脈硬化性疾患に対する予防効果についての報告がある程度で、その他の健康機能性については全く検討されていません。そこで本研究では、魚肉タンパク質を豊富に含み、我が国の伝統食品であるかまぼこ製品の摂取による大腸癌抑制効果について明らかにすることを目的にマウスを実験動物に用いて検討を行いました。

研究結果;

化学物質(1,2-ジメチルヒドラジン(DMH)皮下注射)によって大腸癌を誘発したマウスにかまぼこ凍結乾燥粉末を5および10(w/w)%添加した餌料をマウスに投与し、短期飼育ではACF(癌発生過程にみられる初期病変)発生、長期飼育では癌個数、分化度(癌細胞の悪性度の指標、低分化=増殖、浸潤、転移性が高い)に及ぼす影響を検討しました。その結果、ACF総発生個数および癌に進展する可能性が高いACF発生個数はかまぼこの給餌群では少ないことが分かりました。また、癌の発生個数、分化度を指標に評価した場合も、かまぼこの給餌によって抑制がみられ、とくに低分化細胞の発生が効果的に抑制されていました。これら癌の抑制効果は、かまぼこ給餌量に依存すること、かまぼこのアミノ酸組成には関係せず、かまぼことして魚肉を経口投与摂取することで発揮されていることが分かりました。

研究タイトル;

かまぼこ製品摂食による大腸癌抑制効果

主任研究者;

関西大学工学部生物工学科・助教授 福永健治

◆ かまぼこ製品に閉経後女性の高コレステロール
血症阻止効果が認められた
研究目的;

女性の血清コレステロール濃度は閉経後急激に上昇する。このことは脳・血管系疾患をもたらし、寝たきりや認知症(痴呆症)の原因にもなっている。この予防のためには薬剤やエストロゲンの使用もあるが、その使用には副作用も含め、いろいろと問題がある。健康の維持・増進の原点は食生活にあり、食生活の改善が閉経後の血清コレステロール濃度の急激な上昇を抑制する事例は多く報告されている。本研究では魚肉タンパクが閉経後の血清コレステロール濃度の急激な上昇を抑制できるかについて検討することにした。魚肉タンパク源としてかまぼこ製品を用いた。

研究結果;

血漿コレステロール濃度はタンパク質源として牛乳タンパク(動物性タンパク質で血清コレステロール濃度を上昇させる)を与えられた卵巣摘出ラット(閉経女性のモデルとして用いられている)に比べ、かまぼこおよびかまぼこの原料であるタラ、イトヨリダイ、エソすり身を与えられた卵巣摘出ラットの方が低かった。このことは、かまぼこに閉経後女性の血清コレステロール濃度の上昇を抑制する効果のあることを示している。

研究タイトル;

水産練製品のエストロゲン欠乏誘発高コレステロール血症抑制効果

主任研究者;

愛媛大学農学部栄養化学研究室・教授 海老原 清

◆ かまぼこ製品は健康長寿のマイナス因子である
体タンパク質や筋肉量の低下の予防に有益
研究目的;

高齢者では、身体活動量が低下するために身体の筋肉の量も減少し、その結果エネルギー消費量も減少する。同時にエネルギー必要量も減少する。そのために食欲や摂食量が低下し、時として栄養障害を生じることになる。従ってこの悪循環をどこかでたちきることが必要である。蒲鉾製品の摂取が、この悪循環を切ることが可能となるかどうかを検討することを目的とした。

研究結果;

蒲鉾飼料を投与すると、1日のエネルギー消費量が加齢に伴って減少することがなく、むしろ平均値では増加傾向がみられた。個体のエネルギー消費量は、体タンパク量を反映するとされている。蒲鉾飼料は、体重を増加させずに、エネルギー代謝量を増加した。エネルギー代謝量の増加の理由は、肝臓や腎臓などの実質臓器の重量が増加したためと考えられる。蒲鉾飼料と通常飼料とでは、消化吸収率には有意差がなかったことから、蒲鉾飼料中にはタンパク含有量が多いため、臓器重量が増加したと思われる。これらの結果をまとめると、蒲鉾飼料の投与は、加齢に伴って生じるエネルギー消費量の低下を抑制することで、高齢者にありがちな栄養障害を来す悪循環を断ち切ることができると考えられる。従って蒲鉾は健康長寿のマイナス因子である栄養障害とくに体タンパクや筋肉量の低下(サルコペニア)の予防に有益と結論された。(図にしめしたCRF1は通常の飼育食)。

研究タイトル;

加齢に伴う基礎代謝低下、およびエネルギー代謝日内プロフィールの加齢変化に対する蒲鉾製品の改善効果の研究

主任研究者;

東京都老人総合研究所 宮坂京子

◆ かまぼこ製品からの食塩の摂取量とそれに感応する
食塩感受性には個人差がある
研究目的;

かまぼこは、低脂肪、高タンパク質の食材であるばかりでなく、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、タウリン等を含み、その効果により様々な効能があるといわれています。しかし、かまぼこの分析やその原料の成分についての報告はたくさんありますが、かまぼこの健康保持増進に有用な効果を科学的根拠にもとづいて栄養疫学的に解明した報告は少ないのです。そこで市販かまぼこを健常者に継続的に摂取してもらい、各種身体所見を調査し、諸要因の経時的変化を観察し、生活習慣病のリスクファクターである血圧、血清脂質に与える効果を検討しました。その目的はかまぼこ摂取による健康保持増進に関する基礎資料を見つけることにあります。

研究結果;

市販かまぼこ160gを毎日7日間継続摂取(実験1)および20gを毎日7日間継続摂取(実験2)させた3人を被験者とし、かまぼこによる健康人の血中脂質と血圧に及ぼす効果について予備的研究を行った。摂食前後と摂食終了2週間後に3回空腹時採血した。血中脂質は実験1、実験2ともほとんど摂食前後において変化がなかったが、血中AngiotensinTは実験1の条件で摂食前と後を比較して被験者3人が増加した。このときの血中Aldosteronはほとんど変化が無かった。実験2での血中AngiotensinTは2人が増加、1人は変化が無く、血中Aldosteronは1人が増加、2人は減少した。実験1、実験2の血中AngiotensinT、Aldosteronの動向を観察すると、かまぼこの含有食塩の摂取量とそれに感応する食塩感受性の個人差によるものと推測される。

研究タイトル;

健常者のかまぼこ摂取による血圧及び血清脂質に及ぼす効果の研究

主任研究者;

近畿大学農学部食品栄養学科助教授 吉川賢太郎

◆ かまぼこにはDNAを守る力がある!
研究目的;

かまぼこには癌の予防効果があるかどうかを調べるために、癌を起こす原因の一つと言われています活性酸素(フリーラジカル)がDNA(遺伝子)に与える傷害から、かまぼこがどれだけDNAを守ることができるかどうかを試験管内で調べました。方法は、DNAの中にある遺伝暗号アデニン、グアニン、シトシン、チミンと呼ばれる塩基への傷を見ることができる新しい方法「脱塩基DNA法」を開発して、活性酸素の中で最も生体を傷付けるとされていますヒドロキシラジカルに注目しました。

研究結果;

私達の今までの研究では、魚で作った醤油(魚醤油)には、活性酸素を除去してくれる力が強く、高い抗酸化能を有していると評価していますが、その時のヒドロキシラジカルからDNAが傷付けられること防ぐ割合(防御率)は、67.0〜69.8%でした。今回、主に山口県産のかまぼこを調べたのですが、下の表からわかります様に、焼抜きかまぼこでは91.2%、蒸しかまぼこでは70.0%、焼ちくわでは66.7%、揚げかまぼこでは82.8%という高い防御率を示すかまぼこがありました。また、体の中にかまぼこが入って消化酵素ペプシンで分解されたことを想定した試験管内実験では、もとのかまぼこに比べて、防御率が増大することも判明しました。以上のことから、かまぼこには、活性酸素からDNAを守る高い防御能があることがわかり、更に、体に入って消化酵素の分解を受けると、防御能が約1.5倍に増大することもわかりました。

かまぼこのDNA損傷防御率(データの一部)
かまぼこの種類 防御率( かまぼこの種類 防御率(
焼抜きかまぼこ@ 55.1 焼抜きかまぼこG 91.2
焼抜きかまぼこA 64.4 蒸しかまぼこ@ 65.9
焼抜きかまぼこB 61.3 蒸しかまぼこA 70.0
焼抜きかまぼこB+ペプシン 92.3 ゆでかまぼこ@ 44.1
焼抜きかまぼこC 77.6 焼ちくわA 58.2
焼抜きかまぼこF 35.4 焼ちくわB 66.7
焼抜きかまぼこF+ペプシン 58.4 揚げかまぼこB 82.8
※数字が大きい程、防御能が高いことを示しています。
かまぼこの番号は製品の違いを表しています。

研究タイトル;

「新たに開発した脱塩基DNA法で評価する「かまぼこ」の癌予防効果」

主任研究者;

原田和樹((独)水産大学校 食品科学科食品加工利用学講座・教授)

◆ かまぼこには血糖値上昇抑制効果がある!
研究目的;

昨年度の助成研究では、かまぼこの各種生活習慣病に対する作用を検討し、マダラかまぼこに血糖値上昇抑制作用があることを見出した。血糖値上昇抑制作用をもつ食品は糖尿病を防ぐために有用であることが知られている。糖尿病は最も身近な生活習慣病の一つであると共に、その患者数はますます増える傾向にある。2002年の厚生労働省の糖尿病実態調査によれば、糖尿病の患者数は予備軍も含めて1620万人と言われている。糖尿病になって起こる網膜症、腎症、末梢神経障害は三大合併症と呼ばれ、糖尿病の患者に致命的なダメージを与える。 今年度は血糖値上昇抑制のメカニズムや魚種や加工法の違いによる血糖値の上昇抑制効果を調べた。

研究結果;

マダラのみならずイサキ、マダイを用いたかまぼこも顕著な血糖値上昇抑制作用を示した。また、マダラにおいて、生すり身ではその効果が見られなかった。また、かまぼこ状でない蒸したすり身には血糖値上昇抑制作用が見られたが(図1)、かまぼこをタンパク質分解酵素処理した時には血糖値上昇抑制作用が診られなかったことから、魚類に普遍的に含まれており、加熱処理を受けたタンパク質が血糖値上昇の抑制に関与していることが示唆された。また、かまぼこ摂取後、血中インスリン濃度が上昇したことから(図2)、インスリン分泌促進を介して血糖値の上昇を抑制したことが示唆された。


研究タイトル;

「かまぼこの血糖値上昇抑制作用」

主任研究者;

矢澤一良 東京海洋大学大学院ヘルスフード科学講座客員教授

◆ かまぼこは血圧と血糖値の上昇を抑制する!
研究目的;

日本人は欧米人に比べ糖尿病になりやすい。その原因としてインスリン分泌量が欧米人の半分しかないことがわかってきた。さらに,日本人には高血圧症と糖尿病を合併して発症している場合が多い。これらの病気をあわせもったSHRSP(脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット)というラットは,日本人的な生活習慣病のモデル動物として汎用されている。そこで,このラットにカマボコを食べさせて,血圧と血糖値について調べた。

研究結果;

SHRSPにかまぼこを食べさせると,血圧の上昇が抑制され,食後の血糖値も低くなった。その理由として,食後のインスリン分泌量が増加したためと考えられた。これらの結果から,かまぼこは,高血圧や糖尿病の予防に有益であると考えられた。

研究タイトル;

「カマボコおよびカマボコ酵素分解物による耐糖能異常の改善」

主任研究者;

村上哲男(近畿大学農学部食品栄養学科)

◆ かまぼこは認知症の予防に効果的である!
研究目的;

高齢化社会となり、アルツハイマー病をはじめとする認知症患者の数も急上昇すると予想されている。認知症患者と健常者の食生活に関する疫学調査から、アルツハイマー型認知症患者は健常者に比べて魚の摂取が非常に少ないということが分ってきた。このことから、認知症を予防するには魚を多く摂取することが有効だろうと予想される。魚を摂取することのよい点は、DHAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸を摂取できる点であると考えられている。かまぼこは平安時代より食されている、魚蛋白質の変性を利用した日本伝統の加工食品である。そこで、ここでは既知のDHAではなく、かまぼこに含まれる魚蛋白質に注目し、認知症予防の観点からその機能性を評価してみることにした。

研究結果;

DHA等の影響を取り除くためにかまぼこを十分脱脂し洗浄した後、残ったかまぼこ蛋白質を消化酵素(蛋白質分解酵素)であるトリプシンで分解を行った。これにより私達がかまぼこを食べた場合と同じようなペプチドの混合物が得られたものと考えられる。このペプチド混合物を、ラット胎児脳から得て培養したアストログリア細胞(神経細胞の一種)の培養液中に添加し、アストログリア細胞が作り出す神経細胞の栄養剤である神経成長因子の量にどのような影響があるかを調べてみた。その結果、かまぼこペプチドを添加しない「対照」と比べて、かまぼこペプチドを添加した各群(3種のかまぼこを使用)では神経成長因子の産生量が有意に増加し、その活性の強さはエピネフリンと同等あるいはそれを上回る強さであった。このことから、かまぼこを摂取することは神経細胞の健康維持に必要な神経成長因子産生量の増加に役立ち、かまぼこは認知症の予防に効果的であることが期待できる。

研究タイトル;

「かまぼこ製品の認知症予防の効果」

主任研究者;

小嶋 文博

◆ かまぼこは癌の増殖を抑制する!
研究目的;

わが国の死亡原因の一位は癌であり、その比率は増加の一途をたどっている。癌による死亡を効果的に抑制するには,予防,早期発見,早期治療は大前提である。しかし,進行性癌については,増殖および転移を抑制することによって,効果的に予後の改善, QOLの向上をはかることが可能で,死亡の減少も期待できる。そこで本研究では,進行性癌に対するかまぼこ製品摂取による増殖抑制効果について評価することを目的に,マウスに癌(骨髄細胞腫瘍;SP2)を移植したモデル系を用いて検討した。

研究結果;

SP2を移植したマウスにかまぼこを含む餌料を給餌して,増殖抑制効果を検討した。その結果,餌料中かまぼこ配合量依存的に癌の増殖を抑制することがわかった。餌料中タンパク質の20および50%をかまぼこ由来タンパク質に置換した場合,癌細胞の増殖は効果的に抑制され(下図),延命効果も認められた。癌の増殖,転移にともなう血管新生に関与する酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性についても, MMP-9で配合割合依存的にかまぼこ給餌で低下がみられ,MMP-2は50%群で低下傾向がみられた。また,抑制効果は,タンパク質のアミノ酸組成に依存するのではなく,かまぼこ由来タンパク質の消化過程で産生するペプチドあるいはタンパク質加水分解物が血管の新生を抑制し、栄養状態を改善した結果である。

研究タイトル;

「進行性癌のかまぼこ製品摂食による増殖抑制効果」

主任研究者;

関西大学 工学部 生物工学科 食品工学研究室 助教授 福永健治 

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